
北海道民に人気の毛ガニ その秘密と上手な食べ方をご紹介
ズワイやタラバ、花咲、などを中心に人気が集まっていますが、中でも北海道民に人気なのが毛ガニ。なぜ毛ガニが人気なのか?また、毛ガニの上手な食べ方や保存方法をご紹介します。
毛ガニ特徴
毛ガニとはその名の通り殻に短い剛毛が生えている蟹です。ずんぐりした印象で、足も太いのが特徴。蟹身はもちろん極上ですが、甘くて濃厚な蟹味噌が毛ガニの醍醐味。
「毛ガニ」は「クリガニ」「トググリガニ」などと同じクリガニ科の一種で、それらとは別のケガニ属に分類されています。「クリガニ」や「トググリガニ」が比較的手ごろな価格なのに対し、「毛ガニ」はその身やミソの美味しさから高級蟹として高値で取引されています。
タラバガニやズワイガニ、花咲ガニと比べても年間の水揚げ量が少なく希少性が高いため、日本人に広く愛されている4大カニの中で最も高価な蟹だといえます。
毛ガニは北太平洋沿岸に広く分布しているので、産地も日本全国に点在しています。産地により旬の時期が異なるため、通年で美味しく食べることが出来ます。
何といっても北海道は漁獲量No.1で、全体の23%ほどを占めています!その後にNo.2に鳥取県、No.3に兵庫県と続きます。
毛ガニの上手な食べ方
「毛ガニってをむくのが大変そう・・・」と思いがちですが、コツを知っていればそんなに難しくはありません。毛ガニのさばき方を知っていれば、毛蟹をもっと楽しめるはずです!
毛蟹の体を解体する
- 毛ガニの足を切り離す
まず、毛ガニをひっくり返し腹の部分を上にします。毛ガニの殻が柔らかい関節の部分にハサミを入れ、切り離します。
慣れれば関節を回して素手で外すことも可能ですが手が少し痛みます。。。笑 - 毛ガニのふんどし(前かけ)を外す
ふんどしは、甲羅の裏の三角形になっている部分です。そこに親指をひっかけて、取り外します。 - 毛ガニの甲羅を外す
ふんどしを外した箇所に出来た穴、毛ガニの甲羅の付け根に親指をかけて甲羅を外します。この際に毛ガニのかに味噌が流れ出ないように甲羅を下にしてください。 - 毛ガニのカニ味噌を甲羅に移す
胴の部分に残っている毛ガニのカニ味噌を甲羅に移動させます。毛ガニの甲羅の内側には白っぽい薄皮も付着していますが、こちらも食べることが出来ます。
毛ガニの身を取り出す
- 毛ガニの胴を2つに分ける
毛ガニの胴を真ん中から2つにします。慣れていないとぐらぐら動いて危ないので、ハサミで少しずつ切ってください。 - 毛ガニの胴を背中側・腹側に分ける
背中側・腹側になるよう平行に切り分けます。背中側・腹側に分けるときは、足のつながっていた箇所にハサミを差し込むようにして切るのがコツです。
足を切り分ける方法はみなさんご存知かと思いますが、先に関節ごとに切り分けて、殻の側面を2ヶ所、縦に切れ目を入れてください。切れ目に沿って、片方の殻をはがすように取り除くと、身を取り出しやすくなります。
毛ガニの保存方法
自宅の冷凍庫で保存すれば、1ヵ月から2ヵ月くらいもちます。通販などで購入した冷凍毛ガニは、ボイルしたものを業務用の冷凍庫でマイナス35℃から40℃で急速冷凍して鮮度を保っています。
自宅で2ヵ月くらいもつとは言っても、家庭用の冷蔵庫では冷凍庫の温度は通常マイナス16℃から18℃ですので、少しづつ鮮度は落ちてしまいます。ですから、鮮度が落ちないうちに食べるには、できれば1ヵ月以内がベストです!
鮮度をできるだけ落とさずに保存する方法をご紹介します。
- まず、毛ガニを新聞紙で包みます。
ポイントは、新聞紙を濡らしておくこと。 - それをジッパー付の保存袋に入れて、空気を出してから冷凍します。
それにより、毛ガニの旨みと水分を保った状態で保存することができます。
毛ガニの解凍方法
では、次に冷凍毛ガニの解凍方法についてご説明します。解凍のポイントは、冷蔵庫で解凍することです。
- 冷凍状態のカニを新聞紙などに包んで、さらにラップで包みます(ビニール袋でもOK)。こうすると水分の蒸発を防ぐので、身がパサパサになりません。このとき、甲羅は下に向けてください。解凍の過程で蟹味噌や旨み成分が流れ出るのを防ぐことができます。
- パットか深めの皿に乗せて、冷蔵庫に入れます。
この状態で24時間~36時間くらいかけて徐々に解凍します。 - 解凍が7~8割進んだら解体(調理)して問題ありません。
完全に解凍するよりも7~8割で止める方が旨みを逃さずに済みます。
急いでいる場合は毛ガニを袋に入れ、水が入らないように流水につけることで素早く解凍できます。どんなに急いでいても、電子レンジでの解凍や温水での解凍は避けてください!旨みがすっかり抜け落ちてしまいます!
安いカニを買ってお得に食べたいけど...
カニは買う場所によって値段にばらつきが大きく、1,000円台で購入できる安いカニもあれば、20,000円を超えるものだってあります。
まず、先に結論から言いますと、「カニを美味しく食べたいなら値段に妥協しない方が良い」ということです。
「安かろう悪かろう」という言葉がありますが、カニにおいては全くその通りだと思います。
カニは頻繁に食べるものではないので、見た目だけで「身の詰まり具合」や「味」を判断するのが難しい食材です。
そのため、安いカニを購入すると身がスカスカのであったり、冷凍期間が長く水っぽいことが多々あります。
毛ガニは小さい方がお得?それとも大きい方がお得?
毛ガニはタラバガニやズワイガニと比べるとサイズが小さく、とても食べにくいカニです。
しかし、毛ガニは「カニ味噌」がとても美味しいことが魅力で、カニ味噌目当てで毛ガニを購入する人も多くいます。
小さな毛ガニを沢山買うのと大きな毛ガニを1葉買うのでは、甲羅の大きさが含まれるから大きい毛ガニを1匹買った方がお得と書かれている事があります。
しかし実際はそこまで変わらないのです。反対に大きなカニを買ったけど中身がスカスカだった場合、目も当てられません。
カニ味噌目当ての方は特に比較的小さめの毛ガニを購入オススメします!カニ味噌はカニのサイズに比例して多くなるものでもありませんので、大きなカニを買ってもカニ味噌が多いとは限りません。
健康に良い!毛蟹の栄養素と効能
強い抗酸化力のアスタキサンチン
カニ身の赤い色はアスタキサンチンという色素による影響です。これはβ-カロテンやリコピンなどと同じくカロテノイドの一種で高い抗酸化作用を持ち、血管を健康に保ったり、免疫力を高める効果があります。
低カロリーでアミノ酸はたっぷり
毛ガニは約8割が水分で、100g中のカロリーは生で72kcal、茹でたものでも83kcalしかありません。
しかし、グルタミン酸やアスパラギン酸をはじめ各種アミノ酸がたっぷりと含まれ、旨みの強い食材となっています。
ミネラルも豊富
カルシウムやリンといった骨の素ともなるミネラルの他、マグネシウムなどもバランスよく含んでいます。
疲労回復効果も!
毛ガニに多く含まれるビタミンB群には、しっかり補給することでエネルギー代謝を高め、疲労感を解消する効果があります。「なかなか疲れがとれない」「体が一日中だるい」「朝が辛い」など、思うように調子が整わない方は積極的に摂取してくださいね。
高血圧の予防
毛ガニに含まれるカリウムには高血圧の原因の一つである過剰に摂取しすぎたナトリウム(塩分)を排出し、体内の水分濃度を調整する働きがあります。
他にも毛ガニには"貧血の予防"や"がん予防"、"美肌効果"もある、万能食材です。
まとめ:北海道民に人気の毛ガニ
毛ガニの魅力や、上手な食べ方をご紹介しました。毛ガニが道民になぜこんなに愛されているかというと、北海道のものは特に美味しいからです!
オホーツクの流氷とともに運ばれてきた良質なプランクトンをエサとし、厳しい冬の間たっぷりと栄養を蓄えているので身がタップリ詰まっているのです。濃厚でしっかりとしたカニの身と、まろやかで旨みの強いカニ味噌を一緒に食べることで、よりいっそう深い味わいになります。
毛ガニを買うときは北海道産をオススメします。