鮮魚を捌く〜食べる〜捨てるまで完全網羅!

釣り好きや魚好きの方は特に、魚を捌いて美味しいお魚を食べたいと考えていると思います。私も自分で捌いて食べたいな〜と考えていますが一番厄介なのが下処理。血や内臓などちょっとエグいのは苦手という方が多数派です。しかしそれを乗り越えてでも新鮮なお魚は食べる価値があります!

今回は、魚の下処理から生ゴミの処理方法までご紹介します。

まずは下処理

鮮魚を買った(or釣った)ならばまずは迅速に下処理をしてください。下処理をいかに早く行うかによって味も匂いもまるで変わってきます。

下処理と聞くと、手間がかかる面倒な処理と思うかもしれませんがやるべきことは単純で明確です。怖がらずにチャレンジしてみてください!

下処理の流れ

下処理と大まかに言ってしまうと、何をどの順で行うかイメージが湧かないのかと思います。工程としては、表面の滑り・鱗をとる。頭をとる。エラと内臓をとる。血合いを掻き出しお腹をきれいにする。これで終わりです。

その後は水分を取り除き食べる日まで冷やしておくだけです。下処理を迅速に行うだけで魚の鮮度保持期間は飛躍的に長くなり、より美味しく食べられるようになります。数日間は生で食べても問題なく、もちろん火を通す料理に使っても問題ありません!

下処理の流れと必要な道具

先ほどもご紹介した下処理の工程に沿って具体的に説明いたします。

  1. 表面の滑り・鱗をとる。
  2. 頭をとる。
  3. エラと内臓をとる。
  4. 血合いを掻き出しお腹をきれいにする。
  5. 冷蔵庫で保存

下処理に必要な道具はこちら。

  • 包丁あるいはキッチンバサミ
  • 歯ブラシ
  • キッチンペーパー
  • タッパやジップロック的な袋

下処理は慣れるまで面倒ですが、数をこなせば効率よくできるはずです。

魚によって身の形や骨の形状が違うので、どんな魚でも同じように下処理できる訳ではありませんが、基本的には同じですのでほとんどの魚に応用が効きます。

いざ下処理

では実際に下処理をしていきます。この記事を読んでいる方は慣れていない方が多いと思います。自分で下処理した魚は愛着が湧いて美味しく感じるはずですので、頑張ってください!

①魚の表面にあるヌメリやウロコ 汚れをとる

鱗とり

まずは魚の表面を水道水で流しながら表面の汚れやヌメリをとっていきます。ウロコもこの段階で落としましょう。

小型の青魚なら、歯ブラシを使って表面をこするだけでウロコも簡単に取れます。

15センチ程度の小さなアジやイワシなどの青魚であれば、それほどウロコは目立ちませんし、釣りの場合持ち帰る途中のクーラーの中で大部分がとれているはずです。歯ブラシで表面をこするだけでだいたい落ちます。

大きなウロコがびっしりついたタイのようなタイプの魚は、ウロコ取りを使ってしっかり落としてください。

ウロコが大きい魚の場合、背びれの近くにあるウロコなどを残してしまうと、そのあと3枚におろす時に邪魔になります。

刺身や煮魚にウロコが混じっていると異物感を感じますし、そこに汚れやぬめりが貯まりやすいため臭みのもとにもなります。ウロコ取り、あるいは包丁の刃を立てて、尾から頭のほうへ刃先を滑らせてウロコをしっかりそぎ落としていきましょう。

なお、どんなにゴシゴシ洗っても滑りが全て取れることはほとんどありません。水を流しながらゴシゴシやっても全ては取れませんので適当なところで切り上げましょう。後の処理で、キッチンペーパーなどで水分を取り除けばあまり気にならなくなります。

②頭をとる

頭落とし

次に頭を落としていきます。

頭と胴体の間に刃をいれてそのまま真っ二つ!でもいいのですが、なるべく内臓を傷つけないほうが臭み防止という点でGood。その魚が食べているエサによっては、胃袋を切り裂いてしまうと悪臭を発することがあるので気を付けましょう。

包丁で頭の後ろを半分ほど、ちょうど背骨を断ち切るあたりまで切断します。このとき、まだお腹側は皮でつながっている状態です。

小魚であればそのまま頭をつかんで引きちぎるように下方向へもっていけば、エラと内臓と胸ビレが頭と一緒についてきます。

大きな魚だとそのまま引きちぎるのが難しくなってくるので、包丁で皮一枚程度の深さでお腹周りにぐるりと浅い切り込みをいれてから頭を引きちぎってください。同じように頭を引っ張れば、エラと内臓と胸ビレが一緒に取れます。

③エラと内臓を取り除く

内臓剥がし

頭を引きちぎった時点で消化器系の内臓は大部分が取り除かれますが、それでもいくつかは残ってしまいます。

残りの内臓を取り除くにはお腹を開く必要があります。魚のお腹から肛門があるところまで刃を入れて切り開いてください。

まずは浮き袋を取り除きます。背骨の下あたりにある、白い膜につつまれた風船のようなものが浮き袋です。これはつまんで引っ張るだけでペリペリと剥がれます。

次に、肛門に繋がった長細い腸も残っているはずです。これも引っ張れば簡単に取れますが、ここにアニサキスなどの寄生虫が潜んでいることが多いので、刺身にするならより念入りに取り除きましょう。

寄生虫や食中毒は怖いものですが、しっかりした処理をすることでほとんど回避できます。

④血合いを掻き出しお腹をきれいにする。

血合い

魚の処理に不慣れな人が見逃しがちなのが「血合い」です。血ワタとも呼ばれています。

魚の身において血合いと呼ばれるものは2箇所あり、ひとつは皮に近い身にある黒っぽい身の部分。もう1箇所が魚の腎臓のことで背中とお腹の間の骨に沿ってあり、内蔵を取り出したらその奥に見えてきます。

腎臓を指す血合いはかき出さないと刺身で食べる際に生臭さが強くなるので、丁寧に除去する必要があります。背骨の下にある血が固まったような部分です。どんな魚にも例外なくあります。

小さな魚であれば歯ブラシなどでこするだけで落ちるので簡単です。大きな魚の場合は血合いを覆う白い膜に包丁で切れ目を入れ、歯ブラシでこすることで除去できます。

流水で流しながら歯ブラシでゴシゴシして、白い背骨が見えるまできれいに落としましょう。

アジやサバ、イワシのような青魚はお腹周りが一面黒い膜で覆われており、これも臭みの原因となります。血合いと一緒に歯ブラシでこすって落としましょう。

魚の身が水に触れると鮮度が落ちると言われますが、この工程まではジャブジャブ水を流して臭みの原因を取り除くことをおすすめします。反対にこれ以降はできる限り水分に触れさせないようにするのが魚を美味しく食べるコツです。

⑤冷蔵庫で保存

ここまでくれば下処理はほぼ完了。

冷蔵庫で保存する前に、キッチンペーパーなどで魚の表面とお腹周りに残った水分をできるだけ取り除いてください。水分は鮮度低下と臭みのもとです。

水分が取り除けたら冷蔵庫で保存します。その際、再び新しいキッチンペーパーに包んでおくと保存中もより確実に水分が取り除けます。

大きな魚の場合は、キッチンペーパーを丸めてお腹に詰めておくとより水分除去に効果的です。

魚を捌く

下処理も終わったところで次は焼き魚等でよく使う三枚おろしにしていきます。とは言っても、下処理でほとんどの工程は終わっていますので、三枚おろしはすぐに終わります。

三枚おろし

三枚おろしとは、魚のウロコを取り、頭を落とし、内臓を抜いて血などを洗った状態(ここまでの過程が”水洗い”です)にしたものを、包丁を使って、

【上身(うわみ)】:頭を左にして背を上に立てた状態で左になる身
【下身(したみ)】:右側の身
【中骨(なかぼね)】:背骨から背鰭基部にかけて垂直に伸びている骨

 上記の三つに分解します。

魚の身を3つに切り分けるから「三枚おろし」と呼ばれるのです。

(1).腹、背の順に包丁を水平に入れ、包丁の先が中骨に当たっているのを感じながら身を切り離していきます。最後に中骨と身の間に包丁を入れ、中骨から身を離します。

切り身と切り身+中骨の二枚おろしに別れたはずです。

三枚おろし

(画像では中骨を取り外していますが、上部の身のように綺麗に取り外します)

(1).もう一方も同じように身に切れ込みを入れ、中骨と身の間に包丁を入れて身を離します。

(3).身に残った腹骨は包丁ですくうようにして取り、小骨は身がくずれないように骨抜きで抜きます。

これで三枚おろしの完成です。

ゴミの処理方法

魚を処理したら、骨や内臓などが残ります。魚は悪臭が発生しやすいので、そのまま放置しておけません。適切に処理しなければ部屋中に匂いが漂ってしまいますので、気をつけてください。

Point1:水と空気を遮断

生ゴミの悪臭の原因は水と空気です。水や酸素があると微生物が活動し始め、生ゴミを分解する過程で悪臭や有害物質を発生させます。

悪臭を発生させないためには、生ゴミをそのままゴミ箱に捨てるのではなく、ビニール袋に小分けに入れて密閉し、水と空気を遮断しましょう。袋に入れたらできるだけ空気を抜いて、口は固く閉じ、空気が漏れないよう気をつけます。

また、生ゴミの水分量を減らすためには、ビニール袋に入れる前に新聞紙で水気を取るのがおすすめです。取り切れない場合は、新聞紙にくるんだ上でビニール袋に入れましょう。

Point2:骨で破れないよう袋を二重にする

魚の骨は先がとがっているので、薄いビニール袋に入れると袋が破ける恐れがあります。生ゴミを入れたら袋を二重にして、破れても液漏れしたり空気が入ったりしないよう工夫してください。

また、新聞紙に生ゴミをくるんだまま捨てる方法もおすすめです。魚をさばくときに捨てる頭や内臓、食べ終わった魚の骨は、その都度新聞紙に包みましょう。新聞紙のインクには消臭効果もあるので、悪臭を軽減することができます。

Point3:可能であれば冷凍する

魚の生ゴミは冷凍することで菌の繁殖を抑えることができ、臭いが気にならなくなるほか、ハエやゴキブリの発生も防げます。

基本的にはpoint1、2を守っていただければ匂いはだいぶ抑えられると思います。(可能であれば冷凍することで、より匂いが抑えられます!)

また、購入した魚の場合魚が入っていたトレイも生臭さが残っているので注意が必要です。そのまま捨てたり、さっと洗ったりするだけではなかなか臭いが取れないので洗剤を少量つけて洗った後、乾燥させると臭いが軽減します。

まとめ

鮮度が良ければどんな魚も丁寧に下処理をすると美味しく食べれます。

頑張って釣った魚や、市場で買った美味しそうな魚は美味しく食べたいですよね!もし記事を見ながらでも下処理が難しいと感じた場合はスーパーや市場で下処理してくれるところもありますので安心してください。(お金はかかってしまいますが。。)

皆さんの魚LIFEが豊かになることを祈っております!