北海道の超高級魚"キンキ"の栄養素や金目鯛との違いを解説

高級魚といえば皆さん何を想像しますか?

金目鯛やクエ、トラフグなどが有名ですが北海道では真っ先に”キンキ”が想像されます。

そんな魚聞いたことないよ!という方もいるかと思いますが、"キンキ"は「キチジ」「メンメ」とも呼ばれていますのでも「それなら知ってる!」って方もいるかもしれませんね。

 全国的にはあまり有名では無いかもしれませんが、北海道では大人気な高級魚である「キンキ」についてご紹介します。

 キンキとは?

正式和名は"キチジ"ですが、一般的には「キンキ」という名前で広く流通されており、日本では北海道で最も漁獲されております。

浅瀬にはあまり生息しておらず、水深約1500mのあたりに生息している深海魚で[魚、イカ、エビ、カニ]などを食べ成長を続けていきます。

昔の北海道では鯛が採れなかったので、鯛の代わりとして祝い事にはこのキンキが食べられていたそう。

キンキは手に入りやすい大衆魚として古くから馴染みがある魚で、昔は余るほど獲れていたので肥料の原料に使っていたそうです。今のキンキの人気を考えるとなんてもったいない事をしていたのか…と焦ってしまいますよね。

年間水揚げ量が4,000トン以上もあったキンキですが最近は数百トンまで落ち込んでしまいました。

とても美味しく、大量に獲れていたキンキの漁獲量が減ったことにより高級魚となったキンキの*浜値はとても高価になり現在ではキロ6,000円〜10,000円台で取引されています。

*浜値:海産物などの水揚げ地で取引される価格。

キンキは最高に美味しい

キンキの煮付け

深海で生活するキンキは身にたっぷり栄養を付けているので、身や皮に脂がよく乗っており、焼魚、鍋、煮魚として食べられています。また、たんぱく質よりも脂肪分の方が多い珍しい魚です。

繊維質の筋肉は身はなれが程よく、白身魚の中でも格段の脂の乗りを誇ります。
同じ白身魚で鯛の脂肪分が約6%、サワラが10%に対してキンキは20%と非常に多いのに、脂がしつこくなく滑らかな味わいを楽しめる事から非常に人気を集めております!

キンキの美味しい身を堪能した後は残ったアラや骨に熱湯をかけると骨湯という旨みがある出汁になり、一匹で二度美味しさを楽しめちゃいます。キンキを食べる際は文字通り骨の髄まで味わって下さい!(ちょっと際どい表現でしたね笑)

高鮮度キンキを見分ける方法

キンキの鮮度の見分け方は、肌の色にあります。

獲れたての魚はあざやかな深紅の色をしていますが、時間が経つにつれてオレンジ色に変ってゆき、更に時間が経つと色が抜けて黄色になり白くなってしまいます。

また、触ってみて身が硬く、鰓が鮮やかな赤色のものが新鮮な魚です。目の下、頭頂部、背びれに鋭い棘がありますので、自分で生のキンキを捌くときには十分注意してくださいね。

今となっては幻の高級魚という言い方をされる事もありますが、かつてはお惣菜用の魚として煮たり焼いたり…と比較的広く食べられていました。

しかし、美味しさが有名なったことで需要の増加とそれに反する漁獲量の激減。。。と年々価格は高まる傾向にありますので、美味しいキンキにチャレンジするなら今がチャンスですね!

栄養素

キンキには多くの栄養素が含まれています。 

  • ビタミンD
    ビタミンDは油に溶けやすい「脂溶性ビタミン」の一つです。
    小腸や腎臓でカルシウムとリンの吸収を促進するはたらきをしており、骨や歯の健康を保つ働きがあります。
  • ビタミンB12
    体内で血液をつくる際に重要な役割を果たしています。
    そのほか、神経の機能を維持するはたらきがあるともいわれています。
    また葉酸やビタミンB6とともに動脈硬化の危険因子だといわれている物質「ホモシステイン」の血中濃度を正常に保つ作用もあります。
    また、神経を健康に保つ働きがあります。
  • アスタキサンチン
    アスタキサンチンとは、赤色の色素成分です。
    抗酸化作用があり、発がんを予防する働きが期待出来る注目成分です。
  • オメガ3系脂肪酸
    きんきの脂肪には、不飽和脂肪酸が豊富に含まれています。
    オメガ3系脂肪酸とはいわゆる「DHA・EPA」と呼ばれるものでこちらの方が聞いたことがあるかもしれません。

    <DHA>
    DHAは、ドコサヘキサエン酸の略で、EPAと同じn-3系多価不飽和脂肪酸の一種です。脳の働きを良くし、頭に良い成分として注目されましたが、脳・神経の発達にとって必須成分と考えられています。そのほか、網膜反射機能の向上、制ガン作用、抗アレルギー作用などいろいろな生理作用が注目されています。

    <IPA(EPA)>
    EPAは、エイコサペンタエン酸の略で、n-3系多価不飽和脂肪酸の一種です。血小板の凝集を抑え、血液をサラサラにして血栓による病気を予防するほか、血中の脂肪、コレステロール濃度を下げることで健康に良いとされています。

キンキと金目鯛は仲間?

キンキと金目鯛を同じ仲間だと勘違いしている方は一定数いますが、仲間ではありません!(私も一時期勘違いしていました…笑)

キンキと金目鯛は、どちらも全身が赤くて目が大きく旬も同じ冬。おまけに両方とも高級魚。ということでよく混同されていますが、全く違います。

「金目鯛」は、キンメダイ科で全身赤色なのが特徴のお魚です。鮮魚でみることがそれなりにあるためか意外に感じますが、実は深海魚!名前にもあるように大きくて金色に光る目も、瞳の奥に反射層があるためで、光のあまり通らない深海でも効率よく光を集められるようになっているのですね。ちなみにキンメダイという名前でもマダイなどのタイ科の仲間ではありません

「キンキ」は正しくは「キチジ」という名前で、"フサカサゴ科"のお魚です。こちらも深海魚で全身赤いのですが、キンメダイよりも更に鮮やかな、目の覚めるような赤色が特徴。加熱しても綺麗なままです。

両者を並べられると確かに間違えそうになりますがキンキと金目鯛の大きな違いは"目の色"です。キンメダイは目が金色に輝いていますが、キンキの目は透明です。ここを見分ければ間違えて購入することもないと思います!

価格にも差があり、同じ大きさで比べるとキンキはキンメダイの約2倍以上になることもあります!(もちろん時期や場所にもよりますが)キンキを知らない人からすると金目鯛より高いことはかなり驚きですよね!

結論:キンキを食べなら今がチャンス!

 焼き魚(キンキ)

先程も書きましたはキンキは年々漁獲量が減っており、これから価格はより一層高騰していくと予想されています。

「高いから今度にしよう…」なんてズルズルと先送りにしていくと価格は上がっていくかもしれませんので、思い立った時にすぐ購入することをお勧めします!

祝いの日などにはキンキを選べば間違いなし!

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