万能食『イカ』捌き方や料理の幅の広さをお伝えします!
日本はマグロと並んで、世界の漁獲量のほぼ2分の1を消費してしまうほどのイカ好き大国。ですが、家庭料理でイカが並ぶことはあまりないように思います。(私の家庭だけでしょうか…笑)
今回はイカの食文化をより布教すべく、イカの魅力をお伝えします!
イカ種類と旬をご紹介
日本で食べられている代表的なイカの旬は下記の通りです。
- ホタルイカ 旬:1~5月
- ヤリイカ 旬:2~4月
- ケンサキイカ 旬:4~7月
- アオリイカ 旬:5~8月
- スルメイカ 旬:5~9月
- アカイカ 旬:6~8月
- コウイカ 旬:10~4月
干物や塩辛に加工されて食べているイカもいるので皆さんは気づいていないかも知れませんが、メジャーなイカだけでもこれだけの種類が出回っています。
それぞれの種類によって旬は異なるので、年中新鮮なイカを楽しめますね!
ホタルイカ
夜になると発光する小型のイカ。ワタの旨味と茹でても柔らかい歯応えが特徴。沖漬けや酢味噌和えが定番です。
ホタルイカは全長5~7cm程度の小さなイカで、全身から光を出せる発光器があります。基本的に茹でた状態で流通することが多いイカです。茹でたものを生姜醤油や酢味噌などで食べたり、串焼き・甘露煮・醤油漬けで食べるのがオススメ。
ヤリイカ
ヤリイカ科を代表するイカの一種で、ケンサキイカ・アオイリカ・ジンドウイカなどの仲間。
ヤリイカの全長は60cm程度のものが多く、このうち体の約60%(35cm程度)が胴体の部分、頭の部分が約15%(触腕の部分が約25%となっており、ほかのイカと比べ「胴長短足」なのが特徴です。
名前の由来は、その胴が細長くエンペラ(三角形の耳の部分)が大きく尖っている姿が槍のように見える為だといわれています。
ケンサキイカ
煮ても焼いても柔らかく味わいのあるケンサキイカ。イカそうめんなどでも食べられている、使い勝手の良いイカです。
ケンサキイカは全長35~40cm程度。大きな三角形のヒレを持っており、その名の通り先が剣のようにと尖っています。
地域によってはマルイカ、弁慶イカ、メトイカ、ダルマイカと呼ばれています。
新鮮なケンサキイカは赤色をしているが、時間が経つと徐々に白くなり、また赤く変化します。非常に甘みが強いイカとして知られており、刺身などにすると上品な味を楽しむことができます。
ミズイカ(アオリイカ)
大型になり肉厚で甘み・旨みのあるのが特徴の高級イカ。
全長45cm程度で、胴幅13cm程度の大型のイカで、コウイカのように丸いヒレを持っているのが特徴です。
上品な甘みと程よい歯ごたえが特徴であり、高値で取引されているため主に高級料理店やすし屋などで食べられる。鮮度がいいものは刺身や寿司で食べるのが非常にオススメ!
スルメイカ
スーパーや魚屋の店頭で見かける機会も多い、ポピュラーなイカ。刺身や煮つけ、炒め物など幅広い用途で使われています。
スルメイカは全長25~30cm程度で、菱形のヒレが特徴的。新鮮だと赤褐色の見た目をしているが、鮮度が落ちると白色に変化します。本当に新鮮なスルメイカは透明で透き通っており、歯応えはコリコリとしていて非常に美味!
北海道沿岸から九州地方沿岸まで日本全国で獲れるため、ほぼ通年で食べることができます。
アカイカ
スルメイカと同じ「ツツイカ目アカイカ科」の一種に属しています。アカイカはスルメイカを大きくしたような見た目をしているが、スルメイカにくらべて身が柔らかく、クセのない味わいをしているのが特徴的。
コウイカ
コウイカは全長20cm程度のイカで、「えんぺら」と呼ばれる丸いヒレを持っています。
夏に流通する「新いか」は非常に希少性が高く、1kgあたり数万円で取り引きされることもあります!(高いですね...)
生で食べるのが最も甘くて美味しく、刺身や寿司ネタとして食べられる事もあります。また、ゲソは煮物・揚げ物・中華料理などに使われることもしばしば。
イカの料理の幅の広さ
イカは煮ても揚げても焼いても珍味にしても生で食べても...とにかく非常に万能な食材です!
刺身
イカを食べるならまずはこれで!本当に新鮮なイカの刺身は白色ではなく透明で透き通っています。
歯応えもコリコリとしており絶品。本当に新鮮なイカのお刺身を機会があれば食べてみて下さい!
イカの塩辛
言わずと知れたイカのおつまみの代表格!これからの暑い夏の時期も箸が止まりません。
後ほどご紹介しますが、ご家庭で作るのも簡単ですので、ぜひチャレンジしてみて下さい。
イカ飯
やわらかく煮たイカの旨味と、モチモチごはんに絶妙にマッチした函館の有名な郷土料理です。
イカリング(イカの唐揚げ)
イカに調味料を揉み込み、片栗粉でカラッと揚げた料理。おろし生姜を入れれば臭みを消し、風味をアップしてくれます。
冷めても美味しいので作り置きもできますしお弁当のおかずにももってこいです!
焼きイカ
イカ焼きはグリルを使わなくてもフライパンで簡単に作れます。
調味料に漬け込んでから焼くので甘辛味がしっかり染みており、お腹に切れ込みを入れ櫛を刺せば屋台風のイカ焼きにもなります♪
捨てる部位なし! イカ捌き方
「イカは捨てるところがない」と言われるほど、全てを美味しく食べれます。イカの捌き方をマスターしておくと、料理の幅もグンと広がること間違いなしです!
それではヤリイカを使って、イカの捌き方をご紹介します。
捌き方
①イカの背から脚の付け根の部分に向かって包丁を滑らせて切ります。
②開いた胴体を持ちながら足と内臓をゆっくりと引っ張ると"スルッ"と抜けます!
③内臓を拭き取り、内側からキッチンペーパーなどで綺麗に拭き取ります。同時にプラスチックによく似た軟骨も剥がしてください。
④身の皮を剥いでいきます。
※ヌルヌルと向きにくい場合はキッチンペーパーで拭くと取りやすくなります。
⑤胴の縁(頭の真上部分の胴体)は包丁で切り落とし、形をそろえます(食感も悪くなるので)。また、その近くにある突起2つも同様にそいで切り落とします。
これにてイカの処理は終了です!⑤は特にやらなくても食べれますが、食べる際に食感の邪魔になる可能性があるので、下処理の際にとってしまうのがベストです。
アニサキスはやっぱり不安...
イカに限らず生魚などを食べる時に一番気になるのがアニサキスですよね。
アニサキスは寄生虫の一種で、イカや魚などの魚介類に寄生しています。アニサキス幼虫は長さ2〜3cm、幅は0.5〜1mmくらいで白色の少し太い糸のように見えます。
アニサキス幼虫は寄生している魚介類が死亡し、時間が経過すると内臓から筋肉に移動することが知られています。
基本的にイカはほとんどの部位が食べられますが、イカの頭部より上側の内臓部分を食べる際は火を通すなどしっかりとした処理が必要になりますので注意してください。
朝市赤レンガでは、生きているイカをそのままお届けしているので、他店のイカと比べて鮮度がまるで違います!
生きているのでアニサキスのリスクも低く安心して召し上がって頂けます。
意外と簡単に作れる塩辛のレシピ
酒の肴にもごはんのお供にも最適なイカの塩辛。自分で丁寧に作るのイカの塩辛は格別です。先ほど紹介したイカの捌きさえ終わってしまえば簡単ですので、ぜひチャレンジしてみてください!
①イカのワタと胴に塩をする
下処理したイカに塩を振りかけていきます。
まずはワタにはたっぷり塩をふりかけます(両面全体が塩で白くなるまで振りかけてください)その状態のままラップをかけて冷蔵庫で半日〜1日寝かせます。
②胴体の水気を飛ばす
次に胴も同じく両面にうっすら塩をします。胴体の塩はわたよりも塩を少なくしてください。(うっすら程度で大丈夫です)
塩をまぶしたらすぐにイカの身から水分が出てきます。その後わたと同じく冷蔵庫で半日〜1日寝かせます。胴体にはラップは不要です。
③仕上げ
半日〜1日おくと、ワタからは水分が出て、胴の表面は程よくに乾いてきます。胴の包丁で切っていきますが、幅はお好みで問題ありません。
※胴体を切るときには縦切りがオススメです。イカは繊維が横向きに入っているので、縦に切ると繊維が切れて旨味成分がたくさん溢れ、より一層美味しくなるのです!
ワタはさっと洗って塩を落としてください。半分に切りワタだけをしっかりしごき取ります。
その後ワタとイカの胴体を混ぜ合わせたら完成です!
1日ほど冷凍させるとアニサキスは死滅しますので、アニサキスが不安な方は一度冷凍させてください。
このように意外と簡単に塩辛は作れてしまうのです(捌いて塩につけるだけ)。
まとめ
年中楽しめる日本のイカ。捌き方も簡単で捨てるところもないまさに万能食ですが、あまり日本の家庭料理としては見ない気がします。
本当に美味しいイカを食べれば、ご家族全員病みつきになること間違いなしですので、是非食べてみてい頂きたいです!