日本の季節の魚一覧。旬の魚で食卓を彩ろう!

旬という言葉はいろんなことに使われますよね。

食べ物はもちろん、「旬な芸能人」や「今旬な話題」などの使われ方もします。

旬の意味を辞書で調べると、

1 魚介類や蔬菜 (そさい) ・果物などの、最も味のよい出盛りの時期。「―の魚」「たけのこの―」

2 物事を行うのに最も適した時期。「紅葉狩りの―」

などと出てきます。

基本的には皆様の想像通り、その時期に多く獲れ、美味しい食べ物が旬と呼ばれています。

どうせ野菜や魚を食べるなら、栄養豊富で、美味しいものを食べたほうが絶対良いと思います。

旬を抑えることは、人生そのものを豊かにすることに繋がります。(言い過ぎかもしれませんが笑)

この記事では、「魚の旬」を季節ごとにまとめました。この記事を活かして、旬の魚で食卓を彩れるように参考にしてください!

魚の旬はどうやって決まるのか

新鮮な魚

魚の旬とは、魚の身のグリコーゲン、タンパク質や脂のりなどのバランスが一番良い時期のことです。

タンパク質が多い=アミノ酸が多く、旨味成分が多いという事になります。脂が多いと、食感が柔らかくて、味にコクがでます。

魚の旬は産卵前?

最も栄養を溜める時期は、人間と同じく魚も出産時期(卵を産む前)と言われています。

その理由は、産卵のために栄養(タンパク質や脂)を沢山蓄えているからです。

た、産卵のために魚が沿岸に近づいてきて、漁獲しやすくなり水揚げ量も増えます。

そのため、魚の旬はその魚がたくさん獲れる時期とも言われています。

中には産卵時期以外が旬とされる魚もいますが、この話は後ほどします。

旬の魚をオススメする理由

魚をせっかく食べるなら、旬の魚がいいと書きましたが、詳しくいうと二つの理由があります。

①栄養価値が高い

先ほどもお話ししましたが、魚は産卵前が最も栄養を蓄えているとされています。

特に多くの脂肪分が蓄えられており、産卵前の魚は脂乗りが良く、食感も柔らかいのです。

「頭の発達によい」のDHAや「血液をサラサラにする」EPAは脂肪に存在しているため、脂ののっている旬の時期に食べることでより多く摂取することができます。

②価格が安い

魚は産卵するために、餌がたくさんある湾内へやってきます。

そうすると水揚げ量が増え市場の原理が働いた結果、お手頃な値段で新鮮な魚を購入できるようになります。

魚は海の中心では卵を産みません。基本的には沿岸に近づいてきて、藻場や岩礁帯に卵を産み付けます。これは、産んだばかりの卵を外敵から守るためです。

このような魚の習性を熟知した結果、旬の魚を安く届けられているのです。

日本の魚

日本で食べられる、有名な魚の旬を季節ごとに纏めました。

冬の魚

たら

冬においしく食べられる旬の魚には、タラ、カレイ、ブリ、ヒラメ、石鯛、マグロ、アンコウ、ナマコ、牡蠣などがあります。

魚偏に雪と書くタラ(鱈)はその漢字が示すとおり、冬が旬の魚です。鍋物にもよく使われます。北海道と東北地方が主な産地です。

春の魚

鰆

春においしく食べられる旬の魚には、鰆(サワラ)、マダイ、メバル、ニシン、カツオ、カンパチ、アオリイカやタコ、車海老、アサリ、ハマグリ、ツブ貝などがあります。

「鰆(サワラ)」はその文字が示す通り、春が旬の魚として知られています。

昔は北海道で大量に漁獲されてており、雑魚として扱われていた時代もあるそうです(あんなに美味しいのに驚きですね!)が、近年大幅に減少したことから国産の価値は上がっております。

夏の魚

ウナギ

春においしく食べられる旬の魚には、ウナギ、アジ、サバ、タコ、キス、イサキ、スズキ、キハダマグロ、メバチマグロ、イシダイ、アナゴなどがいます。

夏の魚といえば、いろいろいますが、「土用の丑の日」もあるようにうなぎを想像する人もいます。しかし、天然もののうなぎは冬眠前の冬が最も美味しくなります。

なぜ、夏のうなぎが美味しいかというと「土用の丑の日」にあわせて、夏に最も美味しくなるように養殖うなぎが改良されているからなんです!

秋の魚

さんま

秋においしく食べられる旬の魚には秋刀魚、鈴木、秋サバ、アジ、カワハギ、カマス、金目鯛、黒鯛などがあります。

「秋刀魚(サンマ)」は秋が旬の魚の代表格ですね。

北海道から銚子沖と、南下するにつれて脂肪分が減少していきます。紀伊半島に来る頃には痩せ細っているそうです。

サンマをはじめ、サバ、サケ、マグロなどの青魚に含まれる脂質には「オメガ3脂肪酸」であるEPAやDHAが多く含まれています。

これらは魚以外で摂取が難しいので、秋は特に魚を食べることをオススメします!

北海道の魚の旬

北海道といえば何を思い出すでしょうか?

海鮮やジンギスカン、時計台、ラーメン、クラーク博士...いろいろ出てきますが、やっぱり真っ先に思い出すのは食べ物ですよね。

北海道の海産物は、本州ではほとんど味わえなかったり、北海道内でも地域によって旬が異なったりします。

冬の魚

ワカサギ

北海道の冬の魚はごっこ、毛ガニ、アワビ、ヤリイカ、キンキ、ワカサギ、ウニ(太平洋)、牡蠣などがあります。

ごっこは1月〜4月頃に道南エリアのみで水揚げされる貴重な魚です。

コラーゲンが豊富でふっくらとした身は、キャベツやジャガイモと共に味噌仕立ての汁にした郷土料理「ゴッコ汁」の食材としても地元で親しまれています。

他にも釣りで有名なワカサギやみんな大好きな毛ガニも一部エリアでは冬に収穫されます。

春の魚

ヤマメ

北海道の春の魚はニシン、鮭(トキシラズ)、サクラマス、毛ガニ、タラバガニ、ホタテなどがあります。

北海道ではヤマメと呼ぶことがあるサクラマスは、4月末から6月下旬がピークとなります。

ご当地グルメの「サクラマスカレー」や「サクラマス節」などが行われており、北海道を代表する春の魚の一つです。

また、カニは冬のイメージがある方もいると思いますが、オホーツク海側では4〜7月に収穫されるので春から初夏にかけて毛ガニを楽しむことができます。

夏の魚

いかめし

北海道の夏の魚はホタテ(オホーツク海)、スルメイカ、昆布、ホッケ、ウニ(日本海)があります。

北海道でイカといえば、函館のイカ飯が有名です。

函館市では「函館いか祭り」が開催されているほか、釣り堀のイカ釣り体験があり、その場でさばいて提供してくれます。

北海道に来た際はぜひイカ釣りを楽しんでください!

大ぶりのホタテも北海道を代表する海産物の一つ。北海道では、オホーツク海岸と日本海側、太平洋岸のうち噴火湾で養殖ホタテ漁が盛んです。

北海道全体で見ると年中水揚げされているので、いつでも新鮮なホタテを楽しめます。

秋の魚

花咲かに

北海道の秋の魚は秋刀魚、花咲蟹、鮭(秋アジ)、シマエビなどがあります。

北海道の秋の味覚の一つであるサンマ。

脂ののったサンマは、そのまま焼いても最高です!旬の時期になればご家庭でもよく食べているのではないでしょうか?

北海道の主に根室半島付近で獲れる花咲ガニは、カニには珍しく旬は夏から秋に収穫されます。

水揚げされるエリアが極端に狭いことや個体数の減少により花咲ガニは「幻のカニ」と呼ばれています。

こちらも北海道に来た際は食べておきたいカニのうちの一つだと思います。

北海道の魚が美味しい理由

北海道の魚は美味しいとはよくいうが、なぜ美味しいかの理由を知らない方も多いと思います。

海域によって異なりますが、北海道の海鮮が美味しい理由には、以下の3つが上げられます。

親潮の影響

日本を取り巻く潮の流れは全部で7つあり、黒潮や津軽暖流などがその代表格。この7つのうち、最も重要なのが「親潮」です。

“栄養分を多く含んで生命を育む潮”だから親潮と命名された逸話があるほど、親潮は豊富な栄養分をもたらしてくれる潮です。

この親潮の影響により、道東から道南にかけて水揚げされる魚介は、その栄養分を豊富に含み美味しいのです。

豊富なプランクトン

流氷で有名なオホーツクですが、この流氷とともに大量のプランクトンが流れてきているのです。その結果、魚介類にとって成長しやすい環境になっています。

世界的にみても流氷が届く沿岸の魚が美味しいと言われるのは、氷の下で魚たちがたっぷり栄養を蓄えているからなのです。

冷たい水で身が締まる

北海道気温が低い事で有名ですが、海も他のエリアと比べとても冷たくなっています。

この寒い海に生きる魚たちは自然と身が締まり、冬の寒さや産卵のために大量の脂肪を蓄える必要があるのです。

魚にとって厳しい環境が、脂がのった美味しい魚を育てる基盤となっているのです。

水揚げ量の多い時期が美味しさの旬とは限らない

「旬」という言葉は誰もが知っていいますよね?

ただ、多くの方は「旬とは大量に獲れ、美味しい時期」のことだと勘違いしています。

しかし、実際は旬とは二つに分かれています。1つ目は「その魚の味が一番おいしい時期=味の旬」、2つ目は「その魚がよく獲れる時期=水揚げの旬」です。

基本的には水揚げの旬と味の旬が重なる魚が多いのですが、二つの旬が別にやってくることもあります。

例えば、天然のマダイ。天然のマダイは4~6月頃が産卵の時期で、沿岸に集まりますので、大量に収穫されます。

しかしこの時期は、卵巣(真子)や精巣(白子)に身のエネルギーを回した結果、身が痩せてしまっています。

反対に味の旬は11~3月くらいなのです。

この時期は産卵で痩せた身が完全に回復し、まだ生殖腺(卵巣や精巣)にもエネルギーが回っていないので、身に最も脂が乗っています。

魚によって、味の旬と水揚げの旬が異なる場合もあるので、スーパーなどで”旬”と書いているシールに騙されず、どちらの旬なのか調べることをオススメします。

新鮮な魚と干物はどちらが美味しいのか

味の旬の時期であれば、せっかくなので、生魚を捌いて召し上がるのも良いと思います.

ですが、旬の時期じゃない魚を食べる時は、少しまってください。そんな時は魚の干物を買うことも検討しても良いかと思います。

「干物は鮮魚と比べて、そんなに美味しくない」と思っている方もいるかとは思いますが、そんなことはありません。

世間のイメージとは真逆で、干物にした魚介類の方が、ふっくらジューシーに焼きあがります。

塩水に浸した時に、魚の表面近くの筋繊維が膨らんで筋繊維同士の隙間が狭くなります。

結果干物を焼き魚にした方が、水分量が多いのです。

また、干物にすることで、塩分の摂り過ぎを防げる事もメリットの一つです。

干物は塩水に浸すので、塩分が多いと感じる方がいらっしゃると思います。もちろん何も加工されていない生魚と比べれば、もちろん塩分量が多いです。

しかし生魚を焼き魚にする場合、塩を加えます。

好みによりますが、塩分量を上手くコントロールしなければなりません。

何も味が付いていない状態の生魚には、塩や醤油を多めに添加してしまう方も多いでしょう。

しかし干物は生魚に比べて、うま味が凝縮されているので、塩分の添加が少なくても美味しくいただけます。

塩分が高いから干物を避けている方は、鮮魚を捌く際に塩をどれだけ使っているか考えて、検討してみてください!

干物が美味しくなる理由

干物とは、魚肉から塩水で水分を抜き、さらに2~3時間天日で干して水分を少なくしたもの。

そうして水分を少なくすることで、うま味成分のアミノ酸を濃縮し美味しくしているのと、腐りやすかった魚の保存性を良くしているのです。

まとめ

今回は旬の魚を楽しんで頂くためにまとめました。

旬の魚を食べることで季節を感じ、一年をより楽しめるのも良いところですよね!

旬の魚のみを食べることは大変難しく、地域によってなかなか手に入らない魚もあると思います。

そんな時は干物をうまく使い、より良い魚ライフを楽しんでください!

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