水タコと真ダコの違いは? 思ってるよりも奥が深い!タコ料理の世界

お刺身・お寿司・たこ焼き・カルパッチョ・アヒージョ・唐揚げ...

皆さんが大好きなものによく顔を出している食材「タコ」

ですが皆さん、タコについてあまり詳しくないような気がします。

「タコって種類どれくらいあるの?」

「味って違うの?」

などなど...皆さんがよりタコを楽しむための情報をまとめました!

日本独自の食材?

タコは高タンパク・低カロリーでアミノ酸も含まれており、また、骨や皮など処分するところもなく丸ごと食べられる非常に便利な食材です。

しかし、一部の国では宗教上の理由で鱗のない魚介類は「汚らわしい」と思われております。

タコも例外なく良くない食べ物とされ「デビルフィッシュ」と呼ばれているのです。

アジア圏でも、日本以外では韓国やタイで食べられている程度で、収穫量が世界一の中国でも消費量は多くありません。

ヨーロッパやイタリアなどの一部では見かけますが基本海外ではあまり食べられていません。

健康志向や捨てる部分がないと言った観点、寿司の人気から中国やアメリカでも近年消費量が増えてきていますが、まだまだマイナーな食材です。

日本では古くから愛された食材

日本では2000年以上前の弥生時代の遺跡から、タコ壷と思われる土器も出土した事から、古くから愛されていたと考えられています。

現在、日本国内では約3万7,000tものタコが収穫されており、さらに西アフリカや、中国から輸入されているほど、消費量の多い食材となっています。

これは、世界全体のタコ消費量の60%をも締めるほどの数字なのです!

タコの名産地

農林水産省の「養殖業生産統計」より、「タコの漁獲量が多い都道府県ランキング」のデータによると、3位が同率で岩手県・宮城県、2位が兵庫県、そして堂々の1位が北海道となっております!

漁獲量もそうですが、宮城県では特に南三陸町・志津川湾のマダコは非常に美味いと有名ですよね!

2位の兵庫県が漁獲量1,500t。

兵庫といえば、明石ダコが有名ですね。

明石海峡の激しい潮流にもまれた明石ダコは、陸を立って歩けるほど、足がしっかりしているそうです。

第1位は、圧倒的漁獲量で北海道です。

2020年のタコの漁獲量は、21,000t。日本で漁獲されるタコのうち50%以上が北海道で獲れているのです!

食用のタコは5種類もある!

日本で主に食用としているタコは5種類あります。 それぞれタコの種類によって、旬や産地も違い味や食感も違うのでこれからは注目してみると、タコ料理の世界が広がると思います。

マダコ

マダコ

日本で最も有名なマダコ。1年中流通しており、国内消費の8割がマダコです。アカシダコ、アフリカダコとも呼ばれることも。

マダコの旬は梅雨時期の6月頃から7月下旬がシーズンです。

マダコが旬のこの時期は産卵に向けて体力と栄養を蓄えようと活発に餌をとるので一番美味しくなるのです!

肉厚でさっぱりした味わいから、塩ゆでして刺身や寿司ダネ、煮物や酢の物など幅広く使用されています。

ミズダコ

ミズダコ

食用の中で最も大きいと言われているミズダコ。

マダコより身が柔らかく甘みがあるのが特徴で、刺身やその身の柔らかさを活かして、しゃぶしゃぶなどで食べても美味。

イイダコ

イイダコ

胴体の中にたっぷり卵が詰まったイイダコは、九州地方沿岸で1年中漁獲できます。1月以降に子持ちになり、この時期が旬と言われています。

オスよりも卵が詰まったメスの方が人気が高く、タコの中では比較的小ぶりですが、クセが少なく加熱してもあまり硬くならないので、煮物やおでんで食べると美味しく召し上がれます!

ヤナギダコ

ヤナギダコは東北の三陸沖沿岸で漁獲され1年中流通しており、12月〜5月が旬。

ミズダコよりも若干歯応えがあり、茹でても硬くなりにくいというのが特徴です。

主に酢ダコや煮ダコとして使われることが多いようです!

テナガダコ

テナガダコ

テナガダコは韓国料理でおなじみのタコ。

朝鮮半島の西海岸~南海岸にかけてよく獲られています。

日本でもテナガダコほぼ全域的に獲れますが、マダコのほうが美味だといわれ、あまり注目されていません。

逆に、朝鮮半島でマダコはほとんど食べられません。

美味しいタコの選びかた

美味しいタコを選ぶには以下の三つのポイントに気をつけてください!

①足が太いものを買う

足がなるべく太いものを選びましょう。

生であれば触ってみて、吸盤に弾力があり手に吸い付くようなものがオススメです。

茹でたタコの場合は、足の先までまるまっていて、身に弾力があるものを選んでください。

②皮が剥がれてないかチェック

皮がはがれていたり、表面に粘りが出ているたこは鮮度が落ちている証拠です。

色が鮮やかで、表面にみずみずしいツヤがあるかどうかも併せてチェックしましょう。

③オスとメスを見分けよう

タコはオスよりもメスのほうが柔らかくて美味しいと言われています。

吸盤を見て、一つだけ大きい吸盤があるものがオスのタコです。

メスのタコは、全体的に吸盤の大きさがそろっていて、奇麗に並んでいるのが特徴です。

ミズダコとマダコを使い分けて美味しいご飯を食べよう

日本海近海で獲れるタコの中で、有名なタコが、『マダコ』と『ミズダコ』

タコは先ほども書きましたようにそれぞれに異なった特徴があります。

うまく使い分けることでタコ料理が何倍にも美味しくなりますので、ぜひ特徴を押さえてください!

生食するならミズダコ

タコ刺身

先ほどもご紹介した通り、ミズダコは水分を多く含んでおり、身はやわらかく、味は甘みが強いことが特徴。

ミズダコの特徴を活かして料理をするならやはりその食感を活かせる料理が良いですよね!

お刺身やサラダ、薄くスライスしてしゃぶしゃぶで食べる方法も最高です。

しゃぶしゃぶで食べる際にはレタスを入れるのがオススメ!

レタスは出汁にくぐらせてもシャキシャキ感が残るため、ミズダコと一緒に食感を楽しむことができるのです。

タコしゃぶの後の出汁は、ミズダコの旨味とレタスのビタミンがたっぷりと溶けだしているので、ラーメンで締めるのもgood!

旨みが強いマダコ

タコ唐揚げ

マダコはミズダコと比べると、硬めの食感になっています。ただ、その代わりに旨味は強く、火を通して調理する方法と相性抜群!

具体的に、火を通してマダコを調理したものとして有名なのは天ぷら、唐揚げ、タコ飯、タコ焼き、煮物、おでんなどがあります。

マダコの硬さが気になる方は、マダコを茹でる前のぬめり取りで大根おろしを使うと大根に含まれるジアスターゼの効果で、マダコがやわらかくなります。

また、茹でる際に炭酸水を使用するとマダコを柔らかくする事もできます!

タコの栄養素

タコは高タンパクな上に低カロリーな健康食です。

他にもビタミンB12やビタミンE、タウリンアミノ酸、ナイアシン、亜鉛、セレニウム、オメガ3など驚くほど栄養が豊富に含まれているのです。

集中力アップ効果のあるビタミンB12

ビタミンB12成分は神経および血液細胞を健康に保つだけでなく、DNA(全細胞の遺伝物質)の生成を助けてくれます。

また、集中力UP効果もあるのでビタミンB群が不足すると、集中力の低下や気分が落ち込んだりすることもあります。

植物性の食品からはなかなか摂取できないのでタコなどの魚介類を積極的に食べていきましょう!

美肌効果のあるビタミンE

ビタミンEといえばアボカドなどが思い浮かびますが、実はタコにも含まれているのです!

ビタミンEは、肌の細胞などを活性化させる役割を持ち、体内の資質の酸化を防いでくれます。つまり老化防止に役立つのです。

疲労回復効果のあるタウリン

タコやイカ、貝類などには「タウリン」が多く含まれています。

よくCMでタウリン〇〇mg配合!なんて聞きますが、タウリンには疲労回復効果があります。

タウリンは全生命体に存在する"ミトコンドリア"を増やす働きがあるためなんです。

疲労回復だけでなく、眼病予防や肝臓病予防、血中コレステロールを下げるため、動脈硬化予防にもいるんですよ!

デトックス効果のあるアミノ酸

タコにはアスパラギン酸とグルタミン酸と呼ばれ酢種類のアミノ酸が含まれています。

アスパラギン酸は害なアンモニアを体外へ排出、運動時の持久力を向上させる効果、尿の排出を促進する効果があります。

グルタミン酸にはリラックス成分であるギャバを生成、アンモニアを解毒し、尿の排出を促進する効果や脳の機能を活性化する効果があります。

体の内側から綺麗になるには必須の成分と言っても過言ではありませんね。

二日酔い予防&代謝促進に効果的なナイアシン

お酒を飲む時にタコを食べると「二日酔い予防」になるって知っていましたか?

それはタコに含まれるナイアシンが、二日酔いのもと、アセトアルデヒドを分解する酵素の補酵素として働くからなんです。

さらにそれだけでなく、糖質・脂質・タンパク質の代謝に不可欠なので、ナイアシンを摂取すると代謝が促されます!

活力のもと亜鉛

亜鉛は体内でエネルギーを生成してくれます。

さらに、格筋・骨・皮膚・肝臓・脳・腎臓を作るのに必要な成分で、細胞分裂、免疫機能などに欠かせません。

シミ予防、老化予防効果のあるセレニウム

セレニウムとはミネラルの一種で、体を健康に保つために必要な栄養素だけでなく、シミや老化などの原因になる活性酸素の生成を抑えてくれます。

また、生殖、甲状腺機能、DNA生成にとても必要な栄養素です。

1日に必要なセレニウムは55ミクログラムで、約85グラムのタコには75ミクログラム含まれていますので、タコを食べるだけ必要摂取量をクリア出来てしまうのです!

まとめ

みなさん、みじかな食材ですが、タコについて以外と知らないことが多かったのではないでしょうか?

一口にタコと言っても種類も多く、それぞれ適した調理法があります。

スーパーでタコを買う場合などは選択できないかもしれませんが、ネットショッピングで買うときは好みのタコを選択してみるのが良いかと思います。

刺身やタコしゃぶで美味しく食べたいと言う方はぜひ、ミズダコを選んでみて下さい!