焼き魚は『皮』『身』どちらから焼く?

 魚を焼く時に「皮の面から焼くのか、身の面から焼くのか」と言う問題がありますよね。色々考え方がありますが、ある程度正解とされているものがあります。

どちらから焼くのが正解なのか

魚の焼く順番は鮮魚と干物で異なりますので、詳しくみていきましょう。

干物を焼くときは

干物を焼くときの基本は「盛り付けたときに上になる面から焼く」ことなのだそう。たとえば魚の切り身なら皮から、干物や開きなら身から焼くということですね。

理由としては最初に焼く面にきれいな焼き色がつくからです。干物は盛りつけた時に身の面が上になることが多いので、綺麗な焼き色をつけるために身から焼くのです。(なのでこれが切り身であれば皮の面から焼きます!)

鮮魚の場合

鮮魚を焼く時も基本的に焼き上がりをキレイにしたいので、同じく表面から焼きたいところですが、鮮魚を焼く場合は他にも気にする点がいくつかあります。

海背川腹(うみせかわはら)

この言葉を聞いたことがありますか?こちらは魚の焼き方についての格言(?)です。

海の魚を焼くときは背中(皮)から焼く。川の魚を焼くときはお腹(身)から焼く。という先人たちの教えを表した言葉です。

なぜ海魚は皮から焼いて、川魚は身から焼くのかというと、理由は海魚と川魚の生態の違いにあります。

一般的に、海魚は広い海を回遊するために、脂肪や水分が多く含まれています。一方、川魚は海魚に比べて脂肪が少なく淡白な魚が多い特徴があります。そんなわけで、淡白な川魚は、身から焼いたほうが、魚の脂が流れださずにすみ、旨味のある脂肪分が残るのです。

脂身の少ない魚は、身から焼いたほうが、旨味が逃げないからなのですね!川魚の旨味を閉じ込めて、より美味しく食べるために『海背川腹(うみせかわはら)』で焼くのが良いのです。

反対に『海腹川背(うみはらかわせ)』という言葉もある

先ほど焼き方は海背川腹が良いとご紹介しましたが、それを真っ向から否定するような「海腹川背」という教えもあるんです。

こちらには二つの意味があります。

①焼く時に海魚は腹(身)側から。川魚は背(皮)から焼く。

川魚は概ね皮が厚くて丈夫なので先に皮を焼き十分火を入れ後で身を焼く。逆に海魚は皮が薄く火の通りが早いので身から焼き始める。

魚の焼き方としては、先ほどの海背川原と正反対となってしまいます。しかし、どちらも『いかにして魚の美味しさを引き出すか?』という考え方のもと、焼き魚の調理法の共通する考えのようです。

②魚の姿盛りは海の魚は腹を手前、川のものは背を手前にする。

姿の魚(尾頭付き)を盛る場合、頭を左にし、背を上(向こう側)に盛りますがこれは「海の魚」のみです。(カレイだけは反対向きに盛るようです)

では淡水魚はどう盛るかと言いますと、頭の向きは同じく左です。淡水魚の場合は背をこちら側に向けます。しかしこれだと様になりませんので、実際は「立てて」盛るケースが多くなります。背が上になっている訳ですね。

今では多くの店で海魚も川魚も左向き背向こうになっている様ですが、昔の仕事を守る料亭などで鮎の塩焼を食べてみれば多くがこのケースになるでしょう。

まとめ

焼き方や盛り付けにはいろいろな考え方があるので、全員が納得する焼き方はありませんが、基本的には『海背川腹』に従って焼けばおいしく焼き上がるはずです。焼き加減などにこだわって美味しいご飯を作りましょう!

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